警報
ここでの説明文内の 反転 文字は、F800上部の表示管部を表しています。
文字囲み 文字は、F800下部のパネルスイッチ(キー)部分を表しています。
通常は、下記 A〜Hの8種の警報をブザーと各表示ランプにて報知します。
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警報ブザー |
重量異常 |
サーマルPC異常 |
製品空表示 |
備考 |
A:重量過量 |
連続(※1) |
連続 |
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切|過量排出|入 解除 |
B:重量不足 |
連続(※1) |
連続 |
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自動補正投入後 解除 |
C:ゼロ付近異常投入停止(※3) |
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1秒クロック |
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投入停止 |
D:F800トリップ |
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連続 |
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自動投入遮断 |
E:サーマルトリップ |
連続 |
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連続 |
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計量シーケンスは継続 |
F:シーケンサー電池低下(※4) |
1秒クロック |
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1秒クロック |
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電池交換 |
G:シーケンサーエラー(※4) |
連続 |
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連続 |
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H:製品空投入待ち
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点灯(※2)
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切|レベル|入
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※1:始動スイッチを「切」にすると、警報ブザーが止まります。
※2:切|レベル|入が「入」の時に製品空投入待ちになります。
※3:機能選択端子台(ゼロ付近信号)開放時に、ゼロ付近異常投入停止になります。
この信号は、F800ゼロ異常とは異なりますので、混同しないようにして下さい。
※4:ブレーカーを落としてもリセットされません。
弊社の電気担当まで連絡して下さい。
■ サイクルタイムオーバー
補助ホッパーに下限レベルがないものは、製品空の判定ができないのでこの警報があります。
■ リミットスイッチ・シリンダーオートスイッチ等、動作確認用の入力機器がある場合
■ 金属検出器・空気圧検出等、警報のための機器が設置されている場合
警報回路自体もアナンシェーター動作をさせる事が多いので、上表の警報出力とは動作が
異なります。
各警報の説明
過量排出スイッチが「切」の場合、重量過量になると排出を行いません。
計量完了にならずに、計量機は一時停止します。
ブザーと重量異常表示灯にて、警報を発します。
切|始動|入 スイッチを「切」にするとブザーは止まります。重量異常表示灯はそのままです。
処置
過量分が多い時は、過量になった原因を調べて下さい。
袋に入りきらないくらいの重量が表示されている場合は、包装機を停止し、手動で処理をして下さい。
過量分が少ない(そのまま計量を続けても支障がない)場合は、切|過量排出|入を「入」にすると、
強制計量完了→排出されます。
過量設定値の範囲を、広げてやれば過量状態は解除されて、計量完了→排出されます。
量目不足自動補正回路が組み込まれていますので、重量不足になると、自動的に重量不足が解除されるまで、補正投入を行います。
補正動作中は、ブザーと重量異常表示灯にて、警報を発します。
切|始動|入 スイッチを「切」にするとブザーは止まります。
処置
毎回の計量で重量不足による警報が出る場合、落差等の設定が不適当です。
設定を変更して下さい。
投入を開始する前に、ゼロ付近信号の検査を行っています。
ゼロ付近信号がONでなければ、計量槽が空になっていないと判定され、投入を開始しません。
重量異常表示が点滅します。ブザーは鳴りません。
F800の表示 ゼロ付近 が消灯している場合、ゼロ範囲設定値外になっています。
処置
排出ボタンを押して、定量槽内の重量を空にします。 ゼロ付近になれば、計量を開始します。
上記処理でもゼロ付近にならない(そのまま計量を続けても支障がない)場合は、 風袋引キーにて、
重量表示をゼロにします。 ゼロ付近になり、計量を開始します。
ゼロ付近設定値の範囲が適当かを、再確認して下さい。
F800からの、ゼロ付近・大投入・定量前・定量・過量・不足・MD・完了の8種の信号、または RUN 信号がトリップ回路に使用されています。この8種の信号全部、または RUN 信号がOFFの時に、シーケンサーがF800トリップ警報を発します。
投入弁が全閉になります。重量異常表示が点灯します。ブザーは鳴りません。
F800の電源スイッチを切ると(F800の電源ヒューズ切れ)発生させる事ができます。
処置
F800の電源ヒューズ切れで発生した場合は、ヒューズを交換して下さい。
(注)ロードセル指示計の本体にエラー表示が出た場合は
F800の取扱説明書を参照して、異常を解除して下さい。
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ロードセル指示計にエラーが出た場合(例“Err2”等)
エラー番号を確認の上、別紙、ロードセル指示計の取扱説明書をお読み下さい。
弊社にも、出来れば連絡をして下さい。
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■ F800-RUN信号確認方法
機械本体にモーターが設置されていれば、盤内にサーマルリレーが設置されています。
モーターの過負荷により、サーマルリレーがトリップします。
ブザーとサーマルPC異常表示灯にて、警報を発します。
計量シーケンスは、停止しません。
サーマルリレーのトリップ状態(メーカー富士電機製)

図A:現物のサーマルリレー本体が黒色、
トリップ棒,リセットボタンが白色です。
■ リセット状態(図A参照)では、
白いトリップ棒が約2.5mmケース外部に現れています。
■ トリップ状態(図B参照)では、
白いトリップ棒がケース内にかくれます。
手動トリップ方法
トリップ棒を矢印A方向に押すと、トリップ状態になります。(図B参照)このときサーマルリレーのb接点はOFFし、
a接点はONします。
上記の「手動トリップ方法」は、サーマルPC異常表示灯の回路テストをするために、
故意にサーマルをトリップさせるための説明です。リセットボタンとまちがえないようにして下さい。
サーマルトリップは、リセットボタン(図Aを参照)を押して、トリップを解除します。
サーマルがトリップした場合は、バイメタルの冷却時間がないと、リセットできない場合があります。
時間をおいてから再度、リセットボタン(図Aを参照)を押します。
攪拌機に、異物が混入して、サーマルトリップした場合は、トリップの原因がはっきりしていますので、 異物を取り除き、リセットボタンでトリップを解除します。
通常の状態で稀にトリップするような場合は、サーマル電流設定値を、最大にして使用してみて下さい。
図Aの電流設定ツマミを反時計方向に回します。出荷時は真ん中の値に設定されています。
サーマルリレーのエレメント電流定格値がモーターと一致しているか、下記表を参照し確認して下さい。
弊社計量機に使用される主なモーター容量(表はメーカー富士電機のデーター値です)
| モーター容量AC220V | モーター全負荷電流 | サーマルエレメント定格 | 備考 | 75W | | 0.36〜0.54A | 供給筒攪拌ユーラスモーター | 0.2KW | 1.4A | 0.95〜1.45A | 供給筒攪拌 | 0.4KW | 2.3A | 1.7〜2.6A | 〃 小スクリューフィーダー | 0.75KW | 3.6A | 2.8〜4.2A | 〃 大スクリューフィーダー | 1.5KW | 6.5A | 5〜8A | 〃 〃 | 2.2KW | 9.2A | 7〜11A | |
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シーケンサーの、プログラムを記憶しているメモリの電池電圧が低下した場合の動作を、次に示します。
■ OMRON : C200H,C**Hシーケンサー内部の特殊補助リレー(25308)がONします。
■ FUJI : F30,F40,F50,F55シーケンサー内部の特殊補助リレー(F20)がONします。(F30=EEPROM)
■ 三菱 : FX1シリーズシーケンサー内部の特殊補助リレー(M8005)がONします。
■ 三菱 : Aシリーズシーケンサー内部の特殊補助リレー(M9006)がONします。
ブザー(1秒クロック)とサーマルPC異常表示灯(1秒クロック)にて、警報を発します。
シーケンサー内部のプログラムが消えない限りは計量可能です。
シーケンサーの電源がON状態であれば、プログラムは消滅しません。
バッテリー交換手順
@ シーケンサー本体のランプ(富士:BAT,BER, OMRON:ALM,ALARM, 三菱:BATT.V)を確認して下さい。
A 警報ブザーがうるさいので、スイッチSS1をOFF(横)にしてブザーを止めます。
B シーケンサーの取扱説明書を参照し、バッテリーを交換して下さい。
C バッテリー交換後は、SS1は必ずONにして下さい。
富士電機社F50シーケンサー等ALM端子(警報)端子のある機種では、盤内配線を「サーマルPC異常」表示灯に接続していますので、ユーザープログラムが停止するような故障の度合いがひどい場合でも盤面に異常表示が可能ですが、ハードウェアに警報端子が無い機種では、ユーザープログラムが停止すると、出力されません。
シーケンサーの自己診断にてエラーが検出されると、ブザーとサーマルPC異常表示灯にて、警報を発します。
シーケンサー本体の状態表示灯(ALM,PRG-E/CPU-E,RUN等)を確認して、当社電気担当に連絡して下さい。
| メーカー | 型式 | 電源 | 動作中 | 異常 | 電池 | その他 | | OMRON | CxxH | POWER | RUN | ALM/ERR ※1 | ALM/ERR ※1 | | | OMRON | C200H | POWER | RUN | ALARM/ERROR ※1 | ALARM/ERROR ※1 | OUT-INHIBIT | | FUJI | F30 | POWER | RUN | ALM | BER | | | FUJI | F40,F50 | POWER | RUN | ALM | BAT | | | FUJI | F55 | POWER | RUN | ALM1,ALM2 | BAT | | | 三菱 | FX1 | POWER | RUN | PRG-E/CPU-E | BATT.V | | | 三菱 | A1S | POWER | RUN | ERROR | | |
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※1:ひとつのLEDで兼用されています。点滅がALM(電池)バッテリー低下を表します。
OMRON C200HではI/O照合エラー(25310)ON時に、警報出力します。また、特殊機能(例えばリモートI/O等)を使用している場合は、リモートI/O異常(25312)・PROGRAM>100ms(25309)ON時も警報出力します。
OMRON C60H等 CxxHシーケンサーでは、該当するような適当なリレー番号ないために、出力していません。
三菱 FX1シリーズは エラー発生(M8004)を出力しています。
三菱 A1S CPUは I/O照合エラー(M9002)を出力しています。
FUJI 軽故障(F0003)と重故障(F0002)
FUJI F30,F40,F50,F55は軽故障(F0003)または重故障(F0002)を出力しています。
但し重故障の場合は、シーケンサーそのものが停止してしまいますので、ハード上でALM端子が配線されている機種に限り「サーマルPC異常」表示が点灯します。この場合ブザーは鳴りません。
切|レベル|入 切替スイッチが「入」の状態で、製品空表示灯が点灯しますと、
1サイクルの終了後、次の計量を開始しませんが、異常ではありません。
製品がたまると計量を開始します。
注意 投入待ち中は、機械の中に手を入れるような、危険な作業は絶対にしないで下さい。
機械は動作していませんが、停止しているわけではありません。
製品を抜き取ってしまいたい場合、切|レベル|入 切替スイッチを「切」にすると、製品空状態でも計量を開始します。